ニットの歴史 機械編み~20世紀

1589年にウイリアム・リーが編み機を発明して以降、急速に手編みから機械編みへと移行したニット生産。

 

その後1657年にオリバー・クロムウェルによってFramework Knittersという会社がロンドンに設立されました。

 

この会社は中世の貿易ギルドから今でも続く同業者団体の’リヴァリ・カンパニー’の一員で、その中で64番目の地位を獲得しています。

 

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この頃はまだ動力がなかったこともあり、大規模な工場生産ではなく、各家庭で編み機を使いニットを編んでいたそうです。

 

そして18~19世紀に起こった産業革命において、動力源として蒸気機関が開発されたことでいよいよニットの生産も工場生産にシフトしていきます。

 

 

ファッションとしては、1920年代に入り広く一般に普及し、特に漁師などは仕事着として多くの人が着用していたそうです。

 

その他テニスやクリケット、ゴルフなどのスポーツにて多く着用されたこともニットの普及を助けることになったようです。

 

ココ・シャネルがVOGUE誌でニットをフィーチャーしたのをはじめ、ハイ・ファッションのデザイナーに注目され始めたのもこの頃で、それまで下着や靴下といった肌着がメインだったニット製品の多様性を示し、一躍ファッションアイテムとして認知されるようになりました。

 

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その後の世界大恐慌や、世界大戦においては再度手編みの需要が高まり、多くの女性が兵士たちのために帽子や手袋などを編んでいたそうです。

 

ウールなどの素材が不足していたため、ほつれたり、破れたりといったもう着れないものを一度ほどき、編み直していたといいます。

 

 

1950~1960年代には素材となる糸の種類やカラーバリエーションが飛躍的に増し、よりファッショナブルなデザインで編むことが可能になりました。

 

Twinsetと呼ばれるプルオーバーセーターとカーディガンのアンサンブルは特に人気となり、服だけでなく毛布やバッグ、おもちゃなど様々なニット製品が生まれました。

 

 

1980年代に入ると一転、ジャージやスウェットなどの台頭もあり、ニット製品の需要は激減。

 

ジャージやスウェットはニットより低価格で大量生産が可能なだけでなく、手軽にプリントできることでファッションにおいての優位性を高め、同時にスポーツシーンにおいてもニット製品はその地位を奪われることになります。

 

 

1990年代には多くのサプライヤーがマーケットから姿を消し、ニット製品は一部のローカルや、趣味として家庭で編まれるものとなっていきました。

 

その反面、コンピュータをはじめとしたテクノロジーの進歩により、デザイナーやアーティストがニットのデザインの新境地を開拓。

 

様々なアプローチでニット製品に新たな息吹を吹き込み、後のリバイバルへの流れにつながります。

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